2009/05/30

長湯を代表するシンボル温泉 御前湯

こういう企画を始める際、事前に常に意識するのが、一番最初に紹介する施設と、締めに紹介すべき施設を二つ選ぶ事です。
すなわちそれが私なりのこだわりになるわけですが、特に最初に紹介する施設には気を遣います。

竹田市を中心とした奥豊後。
その温泉地の代表的な場所と言えば、やはり長湯温泉。
当然、長湯温泉で始まり長湯温泉で締めたいと考えるわけです。

そんなトップバッターとして、紹介するのは、『御前湯』

長湯温泉を代表する、シンボル的な建物が印象に残る市営温泉。
宿泊予定の観光客はもちろん、温泉目当てのドライブ客や地元の市民まで、多くの人に利用される人気施設です。

この企画の一発目として相応しい御前湯の魅力をたっぷりお届けしましょう♪



長湯温泉のメインストリートとも言っていい旧道の川沿い。
ここに一際目立つ洋館があります。TVや雑誌などでも良く見かけるこの光景。これこそが今日の主役である御前湯。
長湯温泉のある旧直入町は、世界を代表する温泉療養地でもあるドイツのバートクロチンゲンやバートナウハイムと友好都市になっていました。
それを意識したと思われるこの洋館造りは内部に至るまで徹底しています。

玄関を入ると、歩く度に木のきしむ音が聞こえてきそうな木造の床。
どれだけ古い建物なのかな?と思いきや、実は今年10年目を迎えるという新しさ。
その頃から、このレトロ感を意識した造りを極めたというのは、非常に先見の明があったとも言えます。
前述の通り、今では長湯温泉と言えば、この建物が思い浮かぶくらいの強烈なインパクト。

玄関があるのは一段低い川の一階上。つまり二階が入り口になっています。
この二階を挟むように、一階と三階に浴場施設が用意されていました。これらは定期的に入れ替わるのだそうですが、この日は一階が女風呂。三階が男風呂になっていました。
この二階には、36畳という大きな和室の無料休憩室と喫茶室などが用意されています。
また、大きな特徴でもあるバリアフリーは、完全型。エレベーターも完備されている他、車イスなども多数準備され、温泉療養地を意識した建築当時の考え方が良く分かります。

女風呂と男風呂の形式が違う今回の様なケースを踏まえ、取材時には女性スタッフを同行させましたので、まずは一階の様子から御覧いただきましょう。
一階は川面に面した開放感のある造りです。露店風呂系のものが中心で、丸型の柔らかい感じが特徴の様です。
土色に染まった独特の温泉は、炭酸泉特有の手付かずの源泉かけ流しだからこその色。
これから何度となくこの色の温泉が出てくると思われます。

またこの一階の奥には、和室・洋室・露天風呂といった様々な形式が楽しめる家族風呂が用意。
プライベートな時間と空間の中で炭酸温泉を満喫できます。
家族でワイワイガヤガヤ言いながら入浴するのも楽しそうですよね~!

さて、では私が入った三階の大浴場から、ゆっくり解説していきましょう♪
更衣室を抜け、入り口を開けると目の前に広がるのは、高い天井と六角形の大浴槽。まさにレトロ感たっぷりの最高の温泉風景。
緑黄色と黄褐色を混ぜたような土色は前述の通り、長湯温泉の独特の色。中央に源泉の湧出口が見えます。

ドロっとした見た目とは裏腹に、肌を弾くような感触の湯。爽快感さえ感じる温泉は、意外なほどに低温に感じます。
ここは竹田のさらに奥。山間の町の冬という気温もあるのかも知れませんが、別府温泉に慣れた身体には物足りなく感じるほど。
ところが、これもどうやら長湯温泉の特徴の一つだという事に後で気がつきました。

炭酸泉の効能は、入浴することにより体内に炭酸ガスが吸収され、それが全身の血管を拡張して血流をスムーズにします。
血液に流れがスムーズになることで血圧を下げ、心臓の負担が軽くなるので、心臓の働きが改善されるというわけです。
難しい話になりそうですが…要するに、『長湯してこその長湯温泉』。まるで駄洒落の様な言葉ですが、まさにこの通りなのです。

この時期の寒い外気に当たる露天風呂はさらに温度が低め。
源泉付近にいてもまだヌルく感じる人もいることでしょう。
ですが、これが当たり前の入り方なんだと思うと、さっぱり目のお湯の感触もさらに肌に染みてきます。
冷泉は長方形で、サウナ利用後などに使用するのがベスト。

御前湯では、残念ながら身体に炭酸が付着する様な温泉はありません。
しかし、昨日の記事でご説明したように、炭酸泉はそういう温泉を差すものではありませんので、その知識さえ持っていればガッカリする様な事もありません。
その証拠に30分も浸かった状態だと、その後数時間は外の寒さも何のその、しばらくはポッカポカの状態が持続されます。

それもそのはず。御前湯の温泉は長湯温泉でも折り紙つきの炭酸泉。
分析結果では1リットルの温泉に溶け込む炭酸ガスの量が、理論上の限界値近くまであるそうです。
そのお陰で、今や御前湯の浴槽では当たり前の様に、ある意味オブジェと化しつつある析出物が蓄積や、温泉らしく土色に染まったタイルを至る所で見ることが出来ます。

また御前湯の大きな特徴の一つは、ここで利用される源泉は100%飲料泉だという事。
三階の湧出口にも、二箇所にこの様な飲料用のコップが置かれていましたし、入り口付近にも飲料専用の源泉湧出口がありました。
ご注意いただきたいのですが、さすがに身体に良い飲料泉。正直マズイですwそれを覚悟の上で、飲んでみましょう。

さて、長湯温泉を代表する折り紙つきの正統派炭酸泉を持つ、御前湯。
ここは『温泉療養文化館』というサブネーム通り、館内の至る所に、長湯温泉の歴史を学ぶ事が出来る、パネルなどが並べられていますので、ゆっくり入る温泉共々、片昼潰すくらい勢いで来るのが一番の満喫方法です。
身体に優しい長時間の入浴方法、自然を満喫しながら癒される浴場、レトロ感とムード満点の象徴的施設内外、長湯温泉の歴史を学べる文化館としての働き、そして良薬口に苦し(笑)
長湯温泉に来たなら、一度は寄ってみたい常識中の常識施設をトップバッターとして紹介させていただきました。

温泉療養文化館 御前湯
竹田市直入町長湯7962-1
TEL 0974-64-1400
営業時間 6:00~21:00
休館日 毎月一回 第三水曜日

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