2009/11/05

勇壮無比の源流神楽 御嶽流夜神楽レポート

日本古来の芸能を実際に見ると、最初は興味がなかったはずが、いつの間にかのめり込んで終わった頃にはすっかりファンになっている。

こんな事は良くある話です。

今回、我々もそうい体験をしてしまいました。

向かったのは、10/31(日)、豊後大野市清川町の「神楽の里 能場公園」。

それは御嶽流夜神楽

今年で四回目となる、幻想的な夜神楽の世界を楽しみました!!


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IMG_6819豊後大野市清川町の「神楽の里 能場公園」と言えば、道の駅きよかわから市役所の清川支所方面へ向かって山道登った先にあります。

私も初めて行きましたが、想像していた以上に広く、舞台を取り囲むように客席は扇の形に広がり、外に向かうにしたがい段が上がっていく感じです。これなら確かに後ろの人もみやすいでしょうし、どことなく外国の古い演劇場をも髣髴させる素晴らしい造りです。

開場は開始の一時間前でしたが、私が現地に到着した頃には、もうかなりの人が集まっていました。


IMG_6831まだ明るいうちにスタートした神楽は、五方礼始という演目で始まりました。

東西南北・中央に五人の神を集わせ、社地を清め、これから神楽を奏することを天井の神に報告する舞だそうです。

万民の幸せを祈願する演目だけに非常に華やかで勇壮な舞が、観衆を沸かせていました。

さすがに舞っている人は、かなり複雑で長い踊りを完璧にマスターしているのが印象に残りました。


IMG_6848続いて五穀舞という演目。ここでは、演目後半に演者の皆さんが観衆に向かって、餅や5円玉を投げて盛上げていました。

子供たちも内容を良く知っていて、この演目が始まると、前に方へ集まってくるのです。地元のお子様達でしょうか?

舞台前だけではなく、地元の商工会の皆様などの手によって、客席の左右からも餅などが撒かれ、前方の方だけではなく、多くの方に行き届いたことでしょう。

私はと言えば…実は中央付近にいたのですが、この辺りが一番飛んでこなかったですね(汗)

IMG_6893三番目に演じられたのは、綱伐。ご存知、「八雲払い」の神文を読み上げて、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を斬り沈める舞です。

神楽座によっては、実際に大蛇お象ったものを舞台に上げることもあるみたいですが、御嶽流では俵を大蛇に見立てて真剣で切りました。

長い長い神文を四方に向かって叫ぶのですが、もちろんこの呪文は暗記されていました。凄いですね!

豪快に切り落とした俵の端を、拾おうとする観衆もいて、これも非常に盛り上がりました。


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IMG_6899ここで一旦休憩を挟みますが、時間は既に18:30を過ぎています。秋の夜長。気が付いたら、辺りもすっかり暗くなっていました。

夜神楽らしく、かがり火が点灯され、ますます会場は幻想的な世界へと変わって行きました。

かがり火は舞台の周りに数箇所。この日は風が少し強く、途中で火の粉が前の席の観衆のところまで飛んでいましたので、危険だと感じ消されたのが残念でした。


IMG_7092さて、御嶽流神楽といえば、1400年代に豊後国の守護であった大友氏第14代当主大友親隆が日向行縢山での薩摩への戦勝を記念して創建した御嶽神社で奉納されたのが始まりと言われ、500年以上の歴史を持つことで知られています。それだけではなく、この御嶽流神楽を起源とした神楽が、大分県南部や熊本県阿蘇地方に分布している程なのです。

恥ずかしながら私個人、この有名な御嶽流神楽を見たのは初めてで、この日を本当に楽しみにしていました。


IMG_7144そんな御嶽流神楽が、他の神楽と明らかに違うのは、演目の一つの長さです。

普通の神楽は15~20分で一つの演目を演じますが、御嶽流では30分~50分くらい演じます。という事は、舞っている方は数倍の体力を必要とするわけで、それだけ練習も時間も必要なわけです。

長いから、途中で飽きてしまった…なんてことは絶対にありません。それは演者の皆さんがそれだけ丁寧に舞っているから、そう感じるのでしょう。

こういうのは実際に見てみないと分からないと思いますが、演目の長さと丁寧な舞い方に、その演目古来の姿を見る事が出来るような気がします。

IMG_7103この夜神楽のクライマックスは、観衆のリクエストで第一位に選ばれた演目を演じるというサプライズ企画。

この日、観衆の皆さんが最も見たかった演目。それは御嶽流神楽一番の見せ処とも言える、岩戸開き。

この演目の為に作られた、舞台奥のセットを利用して、豪快で勇壮で幻想的な舞が、行われます。

肌寒くなった山間の会場に、興奮した観衆から響く、煽りの声。その声に乗じるように激しさを増す手力男尊演じる演者。

IMG_7108そしてついに岩戸が開き、隠れていた天照大神が姿を表します。

観衆に絶叫と拍手、ボルテージはもう最高潮。私も鳥肌を立てながら、古事記の世界を体感してしまいました。

この手力男尊を演じたのは、かなり上手な方で、観衆を煽って盛り上げてくれました。

さすがに慣れている御嶽流の皆さんの本領発揮といった感じでしたね。



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IMG_7171この後、21:00過ぎまで続いた御嶽流夜神楽。最後まで飽きさせない数々の企画と、基本のしっかりとした素晴らしい舞で、本当に満足できました。

冒頭の話ではありませんが、御嶽流神楽を見て、鳥肌が立つほど興奮し感動した自分を顧みると、「やっぱり本当に日本人だな」と改めて感じる事が出来ました。

九州に数々の支流を持つ源流、御嶽流神楽。

機会があれば皆さんもぜひその目で御覧下さい。

今回は、まだ御嶽流神楽を見た事がない方の為に、岩戸開の一部を動画で御覧下さい。舞い始めて既に30分以上経過した場面で、なかなか開かない岩戸を何とかこじ開けようと、観衆を煽る姿に注目です!









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